認知症になった時の経済的な負担に備える『認知症保険』が注目されています。

最近は特に『認知症保険』のTVコマーシャルを目にしませんか?

そこで『認知症保険』とはどのような保険なのか、加入を検討する際に注意すべきポイントを見ていきましょう。

予防できれば給付金もある認知症保険

東京都内に住む男性(56)は、子育ても一段落して、退職後の生活設計を考え始めたところです。

今はまだ健康でも、将来、もし認知症になったら・・・と考えると、不安な気持ちになります。

そんなとき、認知症に備える保険があると耳にしたので、加入した方が良いのか、検討することになりました。

認知症保険を検討する

認知症になり、介護が必要になっても、公的な介護保険制度で、様々なサービスを利用できます。

ただ、介護保険でカバーできないサービスを希望する場合に、その費用に充てることができるのが『認知症保険』です。

加入して認知症と診断されれば、一時金や死亡するまでの年金が支給されます。

一時金で家を暮らしやすいようにリフォームしたり、年金や介護保険ではまかなえないサービスを利用したりすることができます。

なので、老後の貯蓄が不十分と感じている人、介護保険以外のサービスも受けたいと思う人は、『認知症保険』を検討してみてはいかがでしょうか?

認知症保険は、認知症と診断される前に加入する必要があります。

特約タイプと単独タイプ

生命保険や医療保険と合わせて入る特約タイプと認知症に特化した単独タイプがあります。

まず検討するのことは、加入済みの保険に特約を付けるのがいいのか、単独タイプにするのか、ということ。

一般的に、60歳の男性が単独タイプに加入すると、月々の保険料は3000~6000円程度。

認知症になると、一時金として100万~200万円程度が支払われる商品や年金として年30万円程度が給付される商品もあります。

ただし、中には認知症と診断されるだけではなく、要介護認定されないと給付がない商品もあるので注意が必要です。

認知症と診断されなければ通常、一時金などの支給はありません。

認知症予防に役立てる保険もある

最近は認知症の予防に役立ててもらおうと、認知症になる前から給付がある商品もあります。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険の商品は、認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)と診断された時点で一時金が出ます。

太陽生命保険では、認知症にならなければ加入から1年後に予防給付金支払われる商品もあり、認知症にならない限り、2年ごとに受け取れます。

いずれも、予防や治療の費用などに充てることができます。

認知症保険に加入した場合には、認知症になった時の手続きのために、家族に保険に入ったことを伝えておく必要があることも忘れないでください。

これは、認知症になると保険に加入したことを自体を忘れてしまい、手続きができない恐れがあるからです。

代わりに手続きできる指定代理請求人に、親族などを登録しておくと、よりスムーズに手続きできるでしょう。

認知症保険に入っていても、実際に介護するのは家族のことが多いですよね。

なので、自分に合う保険はどれなのか、家族と一緒に広く検討してください。

認知症の親に特約を活用する

自分が認知症になった時に備える保険とは別に、認知症の親がいる人たちを対象にした保険もあります。

認知症の親が他人にケガをさせたり、物を壊したりして賠償金を請求された時に備えるための保険です。

東京海上日動火災保険の『認知症あんしんプラン』では、認知症の親が線路に立ち入って電車を止め、賠償を求められた時などに最大1億円を補償します。

親が徘徊して行方不明になったときの捜索費用も30万円を上限に支払われます。

認知症に特化した保険以外でも、火災保険や自動車保険などの特約として加入できる『個人賠償責任保険』が活用できます。

同居家族が他人にケガをさせたり、物を壊したりしたときの賠償金を補償する保険ですが、認知症の親が起こした事故なども対象になり、中には、同居していなくても対象に含めることができる商品もあります。

ただし、契約から時間が経っている場合、補償内容が更新されていることもあるので、確認しておいてください。

 

これは実感ですが、認知症保険については認知症と縁遠いときから、早め早めの検討が大切です。