生涯で最も高い買い物と言われているのが、住宅の購入です。
いくらの物件が買えるのか。
ローンをどう組んで、どう返していくのか。
、、、などなど、不安や疑問は尽きないものです。
住宅費は年収の2割以内にする!
たとえば、こんなケースを考えてみましょう。
年収800万円のケーススタディ
男性A(33)は郊外の駅前マンションの購入を検討している。
75㎡の新築物件で、価格は約4500万円。
頭金を500万円出し、残り4000万円を住宅ローンで借りる。
『変動金利型』で、金利は年0.525%。
返済額を毎月一定にする元利均等返済で35年かけて返すと、月々の返済額は10万4277円(だと言われた)。
男性の現在の年収は額面で500万円あり、妻(30)は額面280万円(子ども1歳がいるので現在は時短勤務)。
年18万円の児童手当を含めると、世帯年収は798万円。
ローン返済額は今払っている家賃と同等なので、男性Aは十分返済できると考えました。
でも、ここで注意しなければならないことがあります。それは、、、
住宅ローン以外にかかる費用がある!
「マンションの場合、住宅費はローン返済以外にもかかる」ということ。
男性の例では、管理費・修繕積立金が月2万3000円、固定資産税が年13万円かかり、ローン返済額と合わせ、年間166万円になります。
この金額を基に、キチンと返済していけるかをチェックする必要があります。
ローンの返済は長期にわたるため、現状では無理なく返せても、子どもが高校に進学する14年後、大学入学の17年後は教育費がかかり、家計がどうなるかは不透明です。
またこの先、老後の生活資金も積み立てていかなければなりません。
子どもの有無で変わる住宅ローン返済の目安
目安となる数字は「子どもがいる家庭の場合なら、住宅費が年収の20%以内」に収まれば、理想的です。
この夫婦の現状では住宅費が年収の21%ですが、妻がフルタイムで働き始めれば年収350万円となるとのこと。
そうなれば、住宅費が世帯年収の20%を割るので「問題ない水準」と言えます。
子どものない夫婦の場合では、年収の30%以内が目安です。
この目安を大きく上回るようなら「予算的に無理している可能性が高い!」ので、再検討が必要になります。
広さや場所を見直したり、中古も選択肢に含めたりなど、より手頃な物件を探したほうが賢明です。
また、親から贈与を受けるなどして頭金を増やしてローンを減らす。節約に務めて家計を改善する。そういった方法もあります。
ローンの返済期間を長くすれば、月々の返済額が減るので、目安の範囲内に収めることも可能です。
ただし、この方法では、期間が延びる分、利息を多く払うので、総返済額が増えてしまうことも忘れてはいけません。
「完済時期が70歳を超えるような長期ローンにすると、定年後も返済に追われ、老後の生活が苦しくなる!」ので、要注意です。
金利は変動型か固定型か
男性Aが検討しているは『変動金利型』の住宅ローンです。
ここで『変動金利型』の特徴も知っておきましょう。
変動金利型は、半年ごとに金利が見直されますが、返済額は5年間変わらないタイプが多いです。
これは返済額が頻繁に増減することを避けるため。
金利が上がると元本の返済が進まず、5年後に返済額が増えてしまう危険があります。
変動金利を利用する場合は、金利が今後上昇する事態も想定し、家計にある程度の余裕を持っておくことが望ましいです。
返済額の増加が不安な人には『全期間固定型』のローンという選択肢があります。
これは、返済開始から終了まで金利が変わらないタイプで、返済計画が立てやすいのが特徴です。
代表例として挙がるのは、住宅金融支援機構の『フラット35』。
メガバンクなども独自商品を取り扱う住宅ローンになります。
ただし、現在の金利は年1~2%と、変動金利に比べ割高です。
このほかにも、住宅ローン返済当初3年間など、一定期間の金利を固定する『固定金利選択型』もあります。
これは、期間が終わると、変動金利か固定金利を選択することになるタイプの住宅ローンになります。