生活習慣や健康状態を改善すると、保険料の割引などが受けられる『健康増進型』の保険が、次々と登場しています。

『健康増進型』の保険が運動や禁煙に取り組むきっかけになりそうです。

健康増進型保険は生活習慣改善で料金特典がある!

保険と言えば、万一の病気やけがに対処するものですよね?

ところが、最近は「保険に、もっと、健康を」「あなたの健康を応援したい」といったメッセージで体調管理などを呼びかける保険を目にする機会が増えました。

それが『健康増進型保険』と呼ばれるタイプの保険です。

死亡保険や医療保険などに健康増進型のサービスやプログラムを付加し、加入者に生活習慣の見直しを促します。

リンククロス じぶんと家族のお守り

たとえば、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険(東京)が2018年4月に発売した『リンククロス じぶんと家族のお守り』。

これは、死亡保険金が年金形式で支払われる収入保障保険ですが、加入後2~5年以内に禁煙に成功したり、体格指数(BMI)と血圧が同社の定める“健康体”に改善したりすると、以降の保険料が2~33%安くなるという保険です。

さらに、契約日にさかのぼって保険料の差額相当分が“祝い金”として戻ります。

たとえば、喫煙者で太り気味の男性(35)が、自分が亡くなると遺族に毎月12万円支給されるプランに加入したとします。

当初の月額保険料は4692円。

3年(36か月)後に禁煙とダイエットに成功すると、保険料は31%減の3240円となって、5万2272円の祝い金も出ます。

ダイエットと禁煙の一方だけ成功したケースでも、相応の保険料引き下げと祝い金があります。

この保険なら、保険料が一度下がると契約期間中は上がらないメリットがあるので、禁煙やダイエットに取り組もうと考えやすいかもしれません。

他社もユニークな商品を開発しています。

バイタリティーと、あるく保険

住友生命保険(大阪市)が2018年7月から取り扱う『バイタリティー』は、月額利用料864円(税込み)の健康プログラムに加入することで、保険料を一律15%割り引きます。

健康診断の受診やスポーツイベントの参加などでポイントがもらえ、年間獲得ポイントに応じて翌年の保険料が2%減から2%増まで変動します。

それ以降も健康に気をつければ保険料は最大30%下がりますが、逆にさぼり続けると割高になってしまいます。

東京海上日動あんしん生命保険(東京)の『あるく保険』は、2年間の1日平均歩数で8000歩を達成すると、支払った保険料の一部が戻ってくる保険です。

『健康増進型保険』が注目されるのは、健康な人が増えれば保険料や社会保障費、医療費の支払いも減って、保険会社や社会全体にとってもメリットが大きい!ということが理由でしょう。

ただし、達成条件が厳しすぎると、期待していた特典が得られない可能性もあるので、そこは注意が必要です。

特典はとても魅力的ですが、一番肝心なのは、保障内容があなたにとって十分かどうか。

従来型の保険や、加入時に所定の健康状態を満たせば保険料を割り引くタイプの保険も含め、慎重に比較検討してください。

専用アプリを利用したサポートもある

『健康増進型保険』の中には、加入者が運動などに取り組みやすくなるよう、アプリや専用端末が用意されているものもあります。

前述でもご紹介した東京海上日動あんしん生命の『あるく保険』では、利用者のスマートフォンに専用アプリをダウンロードしてもらって、これと連動した腕時計型のウェアラブル端末を貸し出しています。

端末をつけてウォーキングすると歩数が計測されるので、目標の1日8000歩を達成できそうかが一目でわかるようになります。

住友生命の『バイタリティー』も、ウェアラブル端末で歩数や心拍数を計測します。

ポイントをもらうのに必要な、ウォーキングイベントの完走証やがん検診を受けたことを示す書類などは、スマホで送信することができます。