もし、すでに税理士と顧問契約を結んでいるなら、今の税理士とより密に付き合うようにしてください。
では、税理士とより密に付き合うためには、どんなことに気をつければ良いのか。
また、これから税理士を探そうという場合では、何に気をつければ良いのか。
今日は、あなたが大きな損をしないため、さらに、無駄な時間を費やさないためのポイントを解説します。
税理士&税理士事務所を選択するポイントとは?
大前提の話として、あなたが税理士のことを「作業をしてもらうだけの下請け」という位置づけとして考えているなら、ミスがないことだけを求めれば良いので、話は簡単です。
その場合は、安い価格相応の作業だけを求めてください。それ以上を求めるのはナンセンスです。
さて、税理士との付き合い方でもっとも大切なことは「自分(=あなた、あなたの会社)に時間をしっかり使ってもらう」こと。
会計入力をしました、決算書をつくりました、こんな単なる作業をしてもらうだけでは、顧問料を払うのがバカバカしく感じるはずです。
税理士&税理士事務所と密に付き合うための3つのポイント
顧問税理士がすでにいるなら、その税理士と今まで以上に、密な付き合い方をするのが現状ベストです。
密な付き合いというのは、パートナーとしての関係性をつくり、自社(=あなたの会社・ビジネス)について、より深く理解してもらうことです。
そのためのポイントは、3つ。
- 毎月会う(オフィスに毎月来てもらう)
- あなたが直接話をする(代わりをたてない)
- 知りたいことは、いつでも連絡する(電話orメール)
税理士との密な付き合いのためのポイントはこの3つだけですが、注意しなければならないこともあります。
税理士&税理士事務所と密に付き合うための注意点
まず、毎月会ってあなたが直接話をすると言っても、雑談や世間話だけで終わってしまってはダメということ。
これは、当然と言えば当然ですよね。だから、これ以上言うことはありません。
特に注意しなければならないのは、「知りたいことは、いつでも連絡する」ということについてです。
税理士や税理士事務所のスタッフは、あなたの会社のスタッフでも部下でもありません。
税理士&税理士事務所の主な仕事は、税務に関することです。
税務の分野であれば、頻繁に連絡しても、それほど大きな迷惑にはなりません。
でも、それ以外の分野にまではみ出してしまうと、あなたはただの面倒くさい人に成り下がります。
要するに、自分でやるのが面倒だから、代わりにやってもらうというのは間違いだということです。
少なくとも、自分で調べれば済むことは、自分で調べるべきです。
税理士事務所の本気を引き出す方法
毎月会って、直接話をする。そして、分からないこと・知りたいことは聞く。
とても、シンプルな話ですよね。
「なんだ、そんなことか」とあなたは思ったかもしれません。
でも、“毎月会って、直接話をする。そして、分からないこと・知りたいことは聞く”という、シンプルな原則の裏にある重要なことは、、、
“あなたからアクションを起こさなければならない”
、、、ということ。
多くの社長たちは「税金を払いたくない!」という気持ちなので、税金がいくらになるかということぐらいは気にしています。
一方で、それ以外については無関心です。
だから、何も聞かない。聞こうとしない。聞く気もない。
これは、私が税理士事務所にいたときに目の当たりにした、現実です。
社長がこういうスタンスだと、税理士も税理士事務所の担当者も、必要なこと以上のことは「興味がないんだな」ということで、言わなくなります。
税理士も税理士事務所の担当者は、それぞれの社長の興味に合う情報や話題を話そうとします。そのための情報収集や準備をしています。
極端な言い方をすれば、何も聞かない社長には、(必要なこと以外は)何の準備もしていかないわけです(聞かれてから調べて回答すれば、それでOKと言う感じです)。
ちなみに、こういう税理士事務所は少ないと思いますよ、税理士事務所側からアクションを起こすというのは。
いまだに多くの税理士事務所は、自分たちの仕事は「記帳代行」や「決算・確定申告手続き」だと思っていますから。
では、どんなアクションをあなたから起こせば良いのかですが、、、
3つの質問をする!
- 税制改正について聞く
- 自社の経営指標を聞く
- 他社の情報を聞く
税理士もそうですが、特に税理士事務所の担当者は「知りません」「わかりません」で済ませることはできません。
あなたが上記3つの質問をしてからが、税理士&税理士事務所の本気です。
ここで言う「本気」とは、あなたやあなたの会社に対してどれだけ時間を費やし、あなたやあなたの会社のことをどれだけ理解しようと努めてくれるかということです。
正直に言ってしまうと、経営安全率etc.の経営指標を聞いたところで経営指標の数値単体では、ひとり社長のビジネスでは何の役にも立ちません。
ここでフォーカスするのは、税理士&税理士事務所の本気を引き出すこと。そのためには、経営指標を聞くのも重要です。
ただ、他社の情報として、同業他社の経営指標を聞いて、自社の経営指標と比較することには意味があります。
もし、税理士や税理士事務所が、あなたの質問に対して「知りません」「わかりません」で済ませるなら、それは論外なので、今すぐ新しい税理士を探すべきです。
これから税理士を探すときのポイント
当たり前の話ですが、あなたに合った税理士を選ぶことが、一番大切です。
とは言え、自分に合うか合わないか、それを見極めるのはとても困難・・・残念ながら、完璧に見極めることは、ほぼ不可能です。
なので、ステップとしてはまず、
- あなたが重視する特徴をもつ税理士をピックアップする
次に、
- ピックアップして税理士の中から、あなたに合う税理士を選ぶ
税理士(&税理士事務所)の主な特徴
- 得意な税目(どんな税金に詳しいか)を前面に出している税理士
法人税が得意 | グループ税制に強い |
相続税が得意 | 消費税が得意 |
譲渡に関する税金に強い | etc. |
- 業種の専門性を前面に出している税理士
医業専門 | 美容院専門 | 外資系企業専門 |
建設業専門 | 相続関係専門 | 贈与関係専門 |
歯科医院専門 | コンビニ専門 | 国際税務専門 |
保険外交員専門 | 不動産専門 | etc. |
- 企業規模を前面に出している税理士
少人数企業が得意 | 50名までの企業が得意 | 100名ほどの企業が得意 |
個人事業主が得意 | 家族経営の企業が得意 | etc. |
これ以外にも、いろいろな特徴を打ち出している税理士がいますので、あなたが求める特徴は何かを考えてください。
税理士選びで注意してほしいのは、人から紹介された税理士で「断れない」状況に追い込まれること。
「この税理士は違うかな・・・」と思っているのに、紹介だから断りにくい・・・仕方なく顧問契約をする・・・この選択は最悪です。
人の紹介で税理士に会うときは、「契約しない可能性が十分にある」ことをちゃんと伝えておかないと、要らぬドラブルに巻き込まれることもあります。
契約しない可能性について伝えておくのは、紹介してくれた方に、です。問題に発展しやすいのは、こっちの人なので。
税理士&税理士事務所に本気を出させるためには、“あなたからアクションを起こさなければならない”と、私はあなたに言いました。
結局、自分でできないことを専門家に任せたくても、丸投げではダメ!これが現実で、真理です。
そして、丸投げにならないためには、社長である「あなた」自身が、“必要最低限”の知識をもっていなければならないこともまた、現実なのです。
また、“必要最低限”の知識をもっていないと、税理士との会話が成り立ちません。
(“必要最低限”の知識が、税理士との共通言語の一つになります)
「じゃあ、勉強しよう!」
もし、あなたがそう思ったのであれば、その決意は素晴らしいです。
が、間違っても経営指標を勉強して覚えようなんてしないでください。
時間と労力、お金の無駄な投資になってしまいますから。