数字から目をそむけ続ける数字嫌いの社長が自らの手で会社を潰す?!

税理士から決算報告を受けたとき、多くの社長は「エッ?! 何でこうなってるの?」という反応を示します。

社長が把握している売上と経費。そして、そこから頭のなかではじき出している利益。

社長の頭のなかの計算とは、明らかに決算書の数字は違います。

試算表や決算書は、税法(税金に関する法律)にそってつくられているので、税金を正しく計算することが基本となっている資料です。

試算表や決算書に記載されている内容について、税理士に理由を求めても「月次決算をすると(もしくは決算書をまとめると)、資料に記載されている数字が正しいので・・・」としか、説明してもらえません。

さらに、税法や会計のルールは、社長の頭の中にある儲けの金額よりも、利益が大きく計上される仕組みになっています。

なので、試算表・決算書上の結果と、社長の認識が一致することはありません。

つまり、試算表や決算書は、経営の実態を表しているわけではない!ということです。

じゃあ、試算表・決算書などの資料は役に立たないのか・・・

試算表・決算書など、そのままでは役に立たない計算書類を、いかにして役に立つツールに変えていくかが大切です。

なぜ、決算書の利益はそんなにも多くなってしまうのか?

決算書をつくるときの基本的な考え方は、納税の公平性です(実際に公平かどうかは、ここでは置いておきます)。

経営の実態を明確にすることではありません。

社長の頭のなかには、ビジネスの現場を反映した経営の現状があります。

現場の状況を判断しながら、頭のなかで、そろばんをはじいているわけです(ちょっと表現が古臭いですが)。

ところが、税法や会計のルールにそうと、売れ残り商品(=在庫)や、商品は売れたけどその代金の回収がまだ済んでいない分も、会社の利益としてカウントされるのです。

奇妙なことに、売れ残った在庫が多ければ多いほど、会社の利益も多くなってしまう仕組みです。

ここで問題になるのは、税法上・会計のルール上、利益が増えるということは、納税金額も増えるということです。

にもかかわらず、在庫は売れない限り、お金は手元に入ってきませんから、資金難により陥りやすくなっているのです。

税理士や税理士事務所のスタッフは、税法に忠実です。もちろん、これは悪いことではありません。

が、「税理士や税理士事務所のスタッフは、社長と考え方や取り組み方が異なる」ということを、忘れてはダメです。

なぜなら、この食い違いが「(毎月の)試算表は役に立たない」「決算書は役に立たない」という結論に至る、根本的な原因だからです。

なぜ、納税のために借り入れをする事態が起こるのか?

先ほども言いましたが、入金より前に売上が立ち(売上を計上する)、入金がなくてもその売上は、税金を計算する時の利益にカウントされます。

これが原因となり、決算書上は利益が出ているのに、納税資金がない・・・なんて事態におちいるのです。

利益とお金はイコールではありません(利益≠お金)。

もう一度言っておきますが、会計上の利益の計算は、お金の入金や出金をともなうか否かを問いません。

どうすれば儲かるようになるのかを、数字や会計が教えてくれる!

中小企業や小規模ビジネスの社長やひとり社長の多くは、営業に絶対の自信をもっています(私は違うのですが・・・)。

その一方で、

  • 数字を見ると、頭が痛くなる。
  • どの資料の何を見れば良いのか、わからない。

という、社長たちも少なくありません。しかも、

  • 適切な解説をしてくれる人がいない。

・・・というのが、実情です。

とはいえ、インターネット黎明期のように、何をやっても先行者利益を手にすることができるような環境ではないので、イケイケドンドンの経営はできません。

適切な対処をしなければ、会社は潰れてしまいます。

まあ、適切な対処というのが、難しいわけですが。

でも、数字を見ること、数字を活かすことで、適切な対処をすることは可能です。

つまり、数字や会計は、儲けるために欠かすことはできない、ということです。

たとえば、「売上倍増。でも、利益は3割減」となった場合、数字と向き合うことで、「売上倍増。でも、利益は3割減」の理由がわかり、対策を立てることができるのです。

数字嫌い・会計嫌いはどうすれば直るのか?

数字嫌い・会計嫌いの原因は、試算表や決算書の数字をすべて見ようとするからです。

そもそも、数字を全部見る必要はありません。

なぜ、数字を見るのか、ポイントを絞れば、見るべき数字も絞ることができます。

数字は、客観的に今の経営状況を語ってくれています。

ぜひ、数字は見るべきです。

そして、大事なことがもう一つ。

それは、数字嫌いでも会計嫌いでも、別にそのままで構わないということです。

ただし、嫌いだから、数字を見ないのではなく、嫌いだから、見るべき数字を絞ればいいんです。