決算書の仕組みと見るべき数字の選択
決算書を読むときは、決算書の仕組みを大きくとらえ、見るべき数字を選んで読むだけ。それで十分です。
「試算表や決算書を見てもよくわからない・・・」「数字だらけで目がチカチカする・・・」という人をかなりの数、目の当たりにしてきました。
しかし、決算書にはどういう意味があって、その中のどの数字が大事かを知り、見るべき数字だけをおさえておけば、本当にそれで十分事足りるのです。
投資家としてどこかの会社に資金を投入するわけではなく、あなた自身のビジネスのために決算書を読むわけですから、本を読んで勉強する必要なんて、ありません。
キャッシュフロー計算書で何がわかるのか?
損益計算書とは別のキャッシュという観点から業績などを検証するのに役立つと言われているのが、キャッシュフロー計算書です。
いくら損益計算書上の利益が黒字でも、現金がなくなって事業資金が回らなくなれば、倒産・・・なので、キャッシュフロー計算書は重要という位置づけの資料ですが、実は、あなたにとって、まったく必要のない資料です。
キャッシュフロー計算書は、上場企業には作成義務とそれを開示する義務があるのですが、上場企業以外にはその義務はありません。
義務がなければ、わざわざ作成なんてしませんよね?
だから、まったく必要のない資料というわけです。
世の中にある会計の本や決算書の解説本のほとんどに、キャッシュフロー計算書の読み方の記述があります。
つまり、それらの本は、上場企業向けだということです。
であれば、ひとり社長の経営には使えない本とも言うことができますね。
株主資本等変動計算書は見なくてOK
作成義務はあるが「見なくてイイ=わからなくても差し支えない」。それが株主資本等変動計算書です。
株主資本等変動計算書は、純資産の増減を示す書類です。
損益計算書や賃借対照表だけでは、資本金や利益剰余金の連続性を把握するのが困難なため、株主資本等変動計算書がそれを補っています。
しかし、株主資本等変動計算書は、経営の現場で使うことはありません。
会社の利益の源泉はどこにあるのか?
粗利益は会社の付加価値とイコールです。
会社が事業をおこなって得た付加価値(=粗利益)こそが、利益の源泉です。
つまり、会社の存在価値は、粗利益という付加価値をどれだけつけることができるかにあります。
粗利益を確保するのに必要なものは?
では、粗利益を確保するためにできることは何か、というと、、、
- 値上げや販売数量の増加による売上アップ
- 売上原価のダウン
話はとてもシンプルです。
売上を増やすか、売上原価を下げるか、この二択です。
「値上げ・値下げ」「増産・減産」「取り扱う商品の力点の置き方」などを決めることが、社長であるあなたの仕事です。