経理は、次の3つのフェーズに分けることができます。
- 領収書やレシートを集め、保管する。
- 資料のデータ化をする。
- データをチェックする。
社長自身が自社経理を把握しなければならない理由
3つのフェーズのうち、「1」「2」は、いわゆる「作業」です。
極端な言い方をすれば、誰でもできます。
これは、会計上のルールに従っている以上、誰がやっても結果に大きな差が生まれるなんてことはあり得ないからです。
たとえば、「銀行口座から現金を引き出し」たら、会計ソフトへの仕訳入力は、、、
(借方)現金 ○○ /(貸方)預金 ○○
誰が入力してもコレ以外にはなりません。
なので、作業=「1」「2」に時間をかけているようでは、ダメです。
一方で、「3」のチェックについては、社長であるあなたが絶対にやらなければいけません。
なぜなら、ここが「経営管理」のフェーズだから。
あなたが時間をかけるのは、もちろん、経営管理=「3」です。
社長が経理をおこなう3つのメリット
3つのフェーズからなる経理は、面倒にしないことがとても大切です。
作業フェーズの「1」「2」を溜めこまないようにすれば、経理を面倒に感じることもありません。
だから、経理を社長であるあなたが自分でやることは十分可能です。
また、ひとり社長が自分(自社)で経理をおこなうことには、3つのメリットがあります。
この3つのメリットによって、同業のライバル社長に対して、圧倒的なアドバンテージを得ることができます。
メリット1. コスト削減(コストがかからない・コストが少なくて済む)
人を雇ったり、税理士など外部にアウトソーシングをしなくて良い。
無理にお金をかける必要はありません。
すべての税理士が(節税etc.の)ノウハウを持っているわけではありません。
税理士に依頼することでラクになるどころか、逆にストレスになることもあります。
また、貴重な資金を捨て金にしてしまう可能性も、ゼロではありません。
経理担当者を雇うことも、税理士と顧問契約を結ぶことも、必須ではないのです。
ビジネスの規模が小さい場合、ひとり社長が自分・自社で経理をやっても、大して変わらない!のが、現実です。
メリット2. ブラックボックスが無くなる
数字の意味がわからないことが原因の「不安」や「いらだち」の緩和。
本来、自社のことは社長である自分が一番知っているはずなのに、現実はそうじゃない社長が多いです。
恐らく、社長が一番困るのは「エッ!?そんなに税金高いの?」という事態に直面した時でしょう。
税理士に任せっきりで、決算の時だけ気にする・・・決算までの間で何が起きているかに関心をもっていないことが原因なのですが。
税理士事務所としたら「間違いないです。これが正しい金額です。」としか、言いようがありません。
同業のライバル社長のほとんどが、こういう事態におちいると思って問題ありません。
それだけ、数字を知ることをおろそかにしています。
ということは、他の経営者・社長が知ろうともしない『経営の数字』を知ることができるのです。
メリット3. 経営に活かせる
経理とは、、、「お金」「会計」「税金」のバランスをとること。
経理によって「お金」「会計」「税金」のバランスを常にとるようにしていると、会社・ビジネスの変化にいち早く気がつくことができます。
気づくことができれば、早め早めに手を打つことも可能です。
業績が伸び悩んだり、悪化したり・・・そんな状況に身をおいたとき、私が出会ってきた社長の多くは、政治や景気といった外部環境の変化に原因を求めます。
でも、自社の経営を数字によって把握していないので、政治や景気のせいなのかどうかさえ、本当はわかっていません。
だから、実際に社会環境が変化したときの「対応力」がありません。
自社の変化にいち早く気づくことができるということは、同時に、
- 景気の変動
- 経済の状況
- 環境の変化
、、、にも自然と(知らないうちに)しっかりと対応できるようになります。
時間をかけること、時間をかけてはイケナイこと、この選別を間違えなければ、経理が面倒で負担になるものにはなりません。
(取引量によっても当然違いますが)日々5~10分程度の時間で、作業を溜めこまずに済みます。
経理には必ずしもお金をかける必要はありません。
社長自身が経理を、会社の数字を理解していない状態で、経理を外部に依頼すると、必ずと言ってイイほど「丸投げ」になります。
これでは、ライバルの同業社長と何ら変わりません。
みんなと同じことをしているのだから、ビジネスで得られる結果も同じ・・・です。