単純返戻率と実質返戻率

 

  • 単純返戻率・・・支払った保険料が単純にいくら戻ってくるか、を示す指標
  • 実質返戻率・・・下がる法人税を考慮したうえでいくら戻ってくるか、を示す指標

保険会社のセールストークは、、、
「単純返戻率では、70%。でも、税効果を考えた実質返戻率は、100%。」

こう展開される保険会社のセールストークが言いたいのは「支払った保険料は全額戻ります。」ということ。

この説明をされると多くの経営者は納得をし、「損をしない」なら保険に加入しようとしてしまうのですが、実はこのセールストークには裏があります。

実質返戻率のウラにある真実

「単純返戻率では、70%。でも、税効果を考えた実質返戻率は、100%。」

この保険会社の説明は、解約返戻金が戻ってきたときにかかる法人税が加味されていません。

つまり、解約したときに(たまたま)損失(赤字)がでていて法人税がかからない、ということが前提になっているのです。

なので、保険の返戻率については、実質返戻率ではなく、常に単純返戻率で検討しなければなりません。

そうしないと、「支払保険料」+「解約返戻金にかかる税金」の二重苦になってしまいます。

では、ここで例を挙げて、実質返戻率と単純返戻率の検討をしてみましょう。

  • 法人税率は30%で計算
  • 保険料総額1000万円(→損金算入1000万円)
  • 実質保険料=1000万円ー(1000万円×30%)=700万円
    ※(1000万円×30%)が、保険会社トークの「税効果」という部分に該当する。

【例1】解約返戻金が700万円の場合、、、

  • 単純返戻率・・・700万円÷1000万円=0.7(=70%)
  • 実質返戻率・・・700万円÷700万円=1.0(=100%)
    ※税効果を考えると「損をしない!」と言っている。

【例2】解約返戻金が1000万円の場合、、、

  • 単純返戻率・・・1000万円÷1000万円=1.0(=100%)
  • 実質返戻率・・・1000万円÷700万円=1.428(≒143%)
    ※これなら「儲かる!」という話。

【例1】【例2】は、保険会社のセールストークを前提にした計算です。

では、ここからは【例1】【例2】の実質返戻率に「解約返戻金にかかる税金」を考慮し、計算します。すると、、、

【例1】解約返戻金が700万円の場合、、、

(700万円ー700万円×30%)÷700万円=0.7(=70%)

【例2】解約返戻金が1000万円の場合、、、

(1000万円ー1000万円×30%)÷700万円=1.0(=100%)

上記の計算を見てもらうとわかる通り、「解約返戻金にかかる税金」を考慮し計算すると、その結果は、単純返戻率と同じになるのです。

単純返戻率=実質返戻率

つまり、結論は『単純返戻率=実質返戻率』ということです。

なので、セールストークに惑わされて「損をしないんだ」「得するのかも」なんて考えてはダメです。

最後にもう一度言っておきますが、単純返戻率で検討しないと、「支払保険料」+「解約返戻金にかかる税金」の二重苦を背負うことになるので要注意です。